上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【旅の記憶】

当日、成田空港に向かう途中で膀胱破裂寸前の危機に襲われた私は
夫にスーツケースを託し、1人佐倉駅で途中下車する。
空港で合流した母から「しょっぱなからこの調子じゃ先行き不安」と
呆れられ、今回は気持ち多めに海外旅行の保険をかけてみた。


出発までの空き時間はみんなで朝食をとることに。
母と弟は賢く「和食」を注文し、夫と私は・・・
これからさんざんパンとチーズの生活が待っているにも関わらず、
張り切って「クラブサンド」を注文した。後々、和食にすればよかったと
舌打ちをしたのは言うまでもなし。

東京-シンガポールの飛行機は、「ミニバス」と表記されていた。
どんな意味かは知らないが、個人のシートに設置されたテレビモニタの性能が
素晴らしく高機能だったので、きっと当たりの機種だったに違いない。これなら
翌日のケープタウン行き=約20時間のフライトでも快適に過ごせそうだ。



翌々日の深夜2時。
エコノミーに快適さを期待していた私がバカだったのかもしれないが、
それにしても・・・ それにしてもなフライトになろうとは
一体誰が予測していただろうか。



夫と私の横隣に座ったのは、一人のベトナム人男性。


こいつが私たちの20時間を地獄にした。
だって、鼻が腐るほど体臭がキツイ


夫の言葉を使えば

10日間お酒とタバコを続け
お風呂に入らず歯も磨かずにいたオッサン×10人分



たまらず夫はマスクをつける。
インフルエンザ対策で売っていた、わりと強力なものだ。
しかし男の臭いはマスクをいとも軽々突き抜けて
こちらの鼻を刺激する。忘れていたが、マスクは臭いではなく
ウイルスをシャットアウトする道具だったな・・

さらに夫はマスクに香水をかけ、頭から毛布をかぶって
防御を試みたのだが食事の時はどうにもならない。
結局、私たちは息を止めて食事をしなければならなかった。


男は英語が話せない。

でも、だからといって夫の飲みかけの水を指差して
それを飲ませろと言ってくるのは変態としか思えないし
機内食に顔と指を近づけてくるのは頭がオカシイとしか言いようがない。
臭いだけでなく、態度までもが公害だ!
温厚な夫も最後は怒りのコブシを振り上げようとしたその横で
キャビンアテンダントが爆笑していた。



妙なのは・・・
このベトナム男をよく見れば、臭いに反して髪は
さっき刈られたばかりのように襟足まできれいに整えられているし、
服は畳んであった折り線がそのままピシッとついていて、おまけに
靴もカバンも新品だ。ということだ。
一体、何者なのだろうか・・。


ヨハネスブルクまであと少しとなった時、さっきのCAが入国書類を持って
やってきた。彼女は男に、次の空港で降りるのか?と聞いていた。
もちろん言葉は通じない。だけどそれ以前に、自分が降りる場所が
どこなのかという基本的な情報が、男の頭には無かったらしい。

CAは男の胸に付けられている黄色いワッペンを覘き込み、
そして何かを覚ったようだ。



着陸まで数時間。
ヨハネスブルクが近づくにつれて
この男が何者なのか、私たちも次第に予測がついてきた。



結論は想像にお任せしたいが・・
世の中の裏側を目の当たりにしたようで恐ろしかった。と、
母は少し表情を曇らせていたよ。


まぁ、確かに悲しい実態なのかもしれないが、
隣りに座っていた私たちの身にもなってほしい。

世の中の裏側よりも、現実的な臭いの方が
ずっとずっと涙をそそる。





臭いに対する損害保険があったかどうか・・
あとで確かめようと思ってる。







☆次回は明るい話と写真を載せます☆
Secret

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。